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遺言

人は、生きているとき、自由に自分の財産を処分できます。そして、遺言書に書くことによって、自分の財産を死後にどう分けるか、あらかじめ決めておくことができます。

遺言に関して注意すべき事項には、「方式」「遺言能力」「遺言事項」「遺言執行者」「遺留分」などがあります。 

方式

遺言は「要式行為」とよばれ、遺言書の書き方の決まり(=方式)が、民法に定められています。

この要件を欠くと、遺言全体が、無効となってしまいます。

自筆証書遺言(じひつしょうしょゆいごん/いごん) 

  1. 内容のすべて(全文)を、作成者自らの文字で書くこと
  2. 作成した日付を書くこと
  3. 作成者が署名し、捺印すること

 

公正証書遺言(こうせいしょうしょゆいごん/いごん)

公証人役場に行き、公証人に作成してもらいます。公証人が作成する以上、法的にも間違いのないものを作成することができ、安心です。私がご相談をお受けするときも、この公正証書遺言の作成をおすすめしています。 なお、証人が二人必要です。

遺言事項

法律上、遺言書に書いて、法的な効力が認められる事項は限られています。 
それが「遺言事項」です。(遺族が道義的に尊重するかどうかとは別の問題です。法的に効力がない内容でも、遺族がそれを尊重し、その内容を実現することは他人の権利を害しない限り自由です。)

遺言事項の主なものは次のとおりです。

相続分の指定

法定相続分と異なる割合を定めることができます。

例えば、配偶者と子3人の場合、法定相続分によると配偶者3/6、子1/6ずつですが、遺言により配偶者1/4、子各1/4ずつ(=全員1/4ずつ)などと指定することができます。

遺産分割方法の指定

具体的な財産の配分を決めることもできます。

例えば、預金は配偶者に全部、不動産は子Aに全部、株式は子Bに全部、といった形です。

遺産分割の禁止

遺贈

相続人以外に財産を分けることもできます。  

遺言執行者の指定

遺言の内容(財産の配分など)を実現するための執行者を指定しておくことができます。資格に制限はありませんが、相続案件に精通した弁護士を指定すると安心です。

特別受益の持戻し免除

別に詳述します。

信託の設定

認知

遺言により子を認知することができます。

推定相続人の廃除・取消し

遺言能力

「遺言能力」とは、遺言の内容とその法的な効果・意味合いを正しく理解、判断する能力のことをいいます。遺言書を作成するとき、この能力が必要とされます。

たとえ遺言書の外見上は全く問題のないものであったとしても、作成された時点で、遺言者に遺言能力がなかった場合(たとえば、認知症による判断応力の低下など)には、その遺言書は、すべて無効となります。

遺言執行者

「遺言執行者」とは、遺言の内容を実現(執行)する者で、遺言者が遺言によって指定し、あるいは家庭裁判所が選任する者のことです。通常、弁護士が指定・選任されることが多いでしょう。

遺言執行者は、遺言書の内容を実現することを任務としており、妨害行為を排除する権限を持っています。たとえ相続人であっても、遺言執行者による遺言執行を妨げる行為(相続財産を処分するなど)をすることはできません(その行為は無効となります)。

遺言書を作成する際には、信頼できる弁護士を遺言執行者に指定しておけば、その弁護士が責任をもって遺言書の内容を実現(執行)してくれ、また権利侵害があった場合にも効果的です。

遺留分

「遺留分」とは、相続財産について最低限相続できることが保障されている割合のことをいい、兄弟姉妹以外の法定相続人に認められています。

掲載日:2011年9月22日
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