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賃借人の破産と賃貸借契約(賃貸人の立場)

 賃借権を売却(譲渡)して換価できる場合や事業継続のために必要であるような場合を除いて、賃借人の管財人は早期に賃貸借契約を解除するでしょう。

賃料はどうなるか?

1 破産開始決定までの賃料は、破産債権となります。

  つまり、配当のある事案の場合には、他の一般債権者と同じように届け出て、配当を受けます。
  配当のない事案(同時廃止・異時廃止)の場合には、配当を受けることはできません。
  ただし、敷金から控除することは可能です。

2  これに対し、破産開始決定後の賃料は、財団債権となります。
  つまり、随時、支払ってもらいます。

敷金はどうなるか?原状回復は?

 管財人が解除して賃貸物件を明け渡す場合、管財人は物件の原状回復義務を負います。

 管財人が明け渡した場合、未払いの賃料や損害金、原状回復費用を控除して清算し、残りがあれば、管財人に返還することになります。

 未払いの賃料や損害金、原状回復費用あるいは残置動産の撤去費用など敷金から控除すべき債務が大きく、敷金を超えてしまう場合には、早急に管財人と協議し、現状有姿での引渡しを認めたり、原状回復費用を減額したり、あるいは破産者が法人の場合は代表者に動産を撤去させることにするなどして、管財人と早期に和解し、できるだけ早く物件の返還を受けます。

賃貸物件内のリース物件の処理は?

 リース会社が管財人と協議し、リース物件を引き揚げることがほとんどかと思います。

 いずれにせよ、賃貸人としては、賃借人の管財人から現状有姿での明渡し(内部の動産の所有権を放棄)を受ける場合には、管財人に対してリース物件がないように確認・要請する必要があります。

掲載日:2011年10月20日
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