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定期借家契約の説明書面の独立性

問題

 定期建物賃貸借契約を締結する際、借地借家法38条2項の規定によって、賃貸人から賃借人に交付(渡す)ことが要求されてい書面(説明書面)は、契約書と別個の独立 した書面である必要があるか?

 定期建物賃貸借契約の契約書を公正証書で作成し、その中に、「この契約は更新が なく期間の満了によって終了する、ということを記載した書面を交付して説明したことを、お互いに確認します」といった趣旨の記載があった場合に、そのような契約は、定期建物賃貸借契約として有効か?

回答

 別個独立の書面である必要があります。(最高裁判決平22・7・16)

 賃貸借契約書とは別の書面の交付がない限りは、定期建物賃貸借契約としての効力はありません。(原則として更新がある普通の賃貸借契約となります。)    

 (理由)   

 借地借家法38条2項は、説明書面を、賃貸借契約の締結に先立ち、契約書とは別に交付するものと規定しています。    

    したがって、いくら契約書を公正証書で作成し、その中に、「この契約は更新がなく、期間の満了によって終了します。」と記載し、さらに契約書たる公正証書の中に「別の書面を渡して説明しました。そのことをお互いに確認します。」と記載し、公証人がそれらの記載を読んで聞かせたとしても、説明書面を交付したことにはならない、ということです。

掲載日:2011年10月19日
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