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遺産分割協議の債務不履行解除

相続
Question

 相続人全員の話し合いによって、相続財産(遺産)の分け方が決まり、その約束の内容を「遺産分割協議書」にまとめ、全員で署名捺印しました。
 つまり、遺産分割協議が成立したわけです。

 しかし、相続の一人で、相続財産である現金・預金を管理している者が、現金・預金を他の相続人に分けるという約束を守らず、いっこうに現金・預金を他の相続人に渡しません。

 遺産分割協議(遺産の分け方についての約束)を「債務不履行」(約束を守らないこと)を理由に、解除して、白紙に戻すことはできるでしょうか?

Answer

協議内容の不履行による解除はできません。

 いったん約束がまとまって、遺産分割協議が成立すると、約束の内容(協議で定めた内容)が実行されない場合でも、「債務不履行」を理由とする遺産分割協議の解除は認められません。最高裁の判例があります。

 したがって、民事裁判を起こすなどして、約束を守ることをその相続人に対して求めていくしかありません。

 たとえば、その現金・預金を管理している相続人の一人がその管理下にある現金・預金を使い込んでしまう可能性が高いといった事情がある場合には、「仮差押え」など、財産を保全するための緊急の手続をとる必要があります。

掲載日:2012年5月6日

分野

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