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遺産を確保(保全)する方法

 遺産分割協議が成立(終了)する前に、特定の相続人によって遺産が処分され、消失してしまうと、他の相続人の権利が害され、また、協議も無駄となってしまい、取り返しのつかないことになりかねません。

 では、そのような事態を避けるため、遺産の消失を防止するには、どのような方法があるでしょうか。

調停前の仮の措置(仮の処分)

 まず、「調停前の仮の措置(仮の処分)」を申し立てるという方法があります。
 これは、まず家庭裁判所に遺産分割調停の申立てをし、その上で、遺産が処分されてしまう可能性が高いことを理由に、調停委員会に、遺産を確保(保全)しておくために必要な措置をしてもらう、という方法です(具体的には、「調停前の仮の処分申立書」を調停がなされている家庭裁判所に提出します。)。

 しかし、その措置に違反した場合、「10万円以下の過料」という制裁はあるものの、措置それ自体には強制力がないため、実際には、あまり多く利用されていません。

審判前の保全処分

 次に、「審判前の保全処分」を申し立てるという方法があります。

 こちらは、遺産分割審判の申立てをし、その上で、株式及び不動産(家と土地)それぞれ「処分禁止の仮処分」という形で、家庭裁判所に「保全処分」を申し立てます(具体的には、「審判前の保全処分申立書」を審判がなされている家庭裁判所に提出します。)。
 この保全処分には強制力がありますので、ある程度の実効性が期待できます。

 なお、この手続のためには、担保として保証金を供託する必要があるのが通常です。 申立書の記載方法や、必要な書類については、家庭裁判所の書記官に相談すると良いでしょう。

弁護士に相談を・・・

審判前の保全処分などを検討しなければならないケースについては、調停や審判、保全処分等の手続の選択やその後の見通し等も含めて、遺産分割全体について、一度、専門家である弁護士に相談することをお勧めいたします。

掲載日:2012年5月6日
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